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【イベントレポート:前編】マネージャーとしての「不足を知る」”炎の一問一答”

目次

2024年4月24日(水)にリアルイベント【マネージャーとしての「不足を知る」”炎の一問一答タイム”と明日を生きるための”乾杯”】が開催されました!

今回は、マネージャーとして事業を成長に導き、たくさんのマネージャーをその目で見てきた、株式会社インサイドセールスプラス 代表取締役 茂野 明彦 氏と、株式会社EVeM 代表取締役 CEO長村 禎庸 氏をお招きしました。

対談で語られた「優れたマネージャーとはなにか」「マネージャーとしての成長に必要な行動はなにか」などを一問一答形式にした、特別イベントレポートです!

前編・後編と2回に分けてお届けしており、本記事はその前編です!


《前編》←本記事

📌Q1:優秀なマネージャーに必要なスキルとは?

📌Q2:事業と育成、どっちが大事?

📌Q3:マネージャーはやることが多くて大変です……


Q1:優秀なマネージャーに必要なスキルとは?


(茂野) 「学び続ける」ことです。

 激しく変化していく最近の環境の中では、学び続けられるかどうかが重要です。マネージャーが選択する戦略ひとつで成果は変わり、マネジメントのやり方ひとつでメンバーの成長は変わります。ですので、今がどうであるかや、相対的な評価はまったく気にしなくていいです。学び続けているか、学び続けたいという意思を持っているかどうか、現代はこれが特に重要だと思います。

(長村) 学び続けることは、言うは易く行うは難しです。

 特にマネジメントでは、その人なりに試行錯誤してきたという経緯があるので、「自分のマネジメントのやり方(スタイル)はこう」と固定化してしまい、変化した状況にフィットしないということがよくあります。マネージャーの仕事は、茂野さんのおっしゃる通り、チームの業績に対して最も影響があります。どうやったら学び続けられるのか、茂野さんのご意見を聞いてみたいです。

(茂野) 人によってやり方(スタイル)があると思います。僕は人から学ぶのが好きなので、人に会います。普段から積極的に外部の方と会いに行くことで、様々な考え方や取り組み、新しい情報を収集しています。基本的に人に対してとても興味があるので、それぞれの方が持つ特殊なスキルやご経験を知りたくてしょうがないんです。僕みたいな人は、どんどん人に会いに行くと良いですし、SNSで繋がるのも良いですね。

 書籍とか文献から学ぶ方が向いているという人は、書店に行って本を買うというのも良いと思います。今のトレンドも分かりますし、テーマなしで書店にふらっと行くのも大賛成です。人によって学び方はさまざまですし、自分に合うならなんでも良いんだと思います。

(長村) 僕は茂野さんと逆のタイプです。「自分はこうしたら成功する」という、自分なりのやり方(スタイル)を言語化します。そうすることで、初めて自分の武器が取り出せる状態になると思います。

 言語化したものが通用しない場合でも、自分で言語化したものですから、どんなに頑固な人でも学びを得ることができるはずです。外から刺激を得ることもとても大事ですが、自分からも学ぶということも大事なのではないかと思います。

(茂野) 言語化は大事ですよね。僕は、マネージャーになった人に「一番初めにするべきことは、自分の取扱説明書(トリセツ)を作ること」とよく伝えます。自分がどういう方法論で動いてるかとか、どういう価値観を持っているかとかをアウトプットして、それを読んでもらうのが一番良いです。加えて、「自分自身がそういうことはされたくない」と思ったマネジメントを外していきます。

 ルールが決まってないことで怒られるのは誰しも嫌ですよね。「じゃあ最初に言っといてくれよ」と思うはずです。だからこそまず僕は、「僕はこういう人間です」と自分が大切にしたいものをアウトプットするようにしています。例えば僕の場合でいうと、成果に対して激昂して追求したことは一度もないですが、お客様を蔑ろにする、最後まで努力しない、諦める等についてはしっかり指摘すると事前に伝えています。

――(司会:富家)それをちゃんと先に言うということですか?

(茂野) そうです。情報の非対称性を利用してマネジメントをする時代は終わったと思うので、完全開示です。

(長村) 自分のやり方(スタイル)を理解してもらうことはすごく大事ですよね。メンバーにとっても大事だと思います。メンバーとしては「なんか今、〇〇さんの逆鱗に触れたけど理由が分からないな」となるのが一番つらいです。これは許せる、許せない、こういうやり方(スタイル)を好む、ということを、マネージャーがしっかり言語化して開示してあげることは、とても良いことだと思います。

――(司会)「トリセツ」によって逆に構えられてしまわないようにする工夫はありますか?

(長村) トリセツの内容にもよると思います。例えば「私がチャットしたら5秒でレスをしてください」とかは良くないです。理由なく自分の好みを伝えるトリセツは違うと思います。「このチームを成功させるために私はこれを求めてます」というように、目的とセットにすれば構えられることはないと思います。

 さまざまな状況で感じますが、指示ひとつとっても、「〇〇さんこの資料を直してください」と伝えるのと、「こういう目的があるのでこの資料を直してください」と伝えるのとでは全然違います。目的を付けるのはマネジメントでとても重要です。目的が欠けると、メンバーが「盲目的にマネージャーのスタイルに合わせろということですか」とか「隷属しろということですか」と受け取ってしまうことにつながりかねません。

――(司会)長村さんのお答えは、何でしょうか?

(長村) スキルではないかもしれないですが、「成功祈願」です。

売上に直接的に貢献してくれているのはメンバーの方ですよね。セールスの部門だとそれがわかりやすいですがどの部門も、何かしら企業の稼ぎに貢献してると思います。「稼ぎを作るのは誰か」という点でいえばメンバーです。そのため「メンバーに成功してほしい」と思うことが、根本的には最も大事なことだと思っています。

 よく「マネージャーに向いてないのはどんなタイプの人ですか」と聞かれることがあります。マネジメントは技術であり、身に付けたら誰でもできることなので、不向きな人は多くないとは思っています。しかし、向いていない人には1つだけ特徴があります。マネジメントは人に成功してもらうための仕事で、メンバーの成功のために尽くす時間が多いです。このような自分が主役ではない時間を過ごすことが苦痛だと感じる人は向いていないのではないかな、と思います。

集中して話を聞く参加者のみなさん

 

Q2:事業と育成、どっちが大事?


(長村) どちらかといえば「事業」と答えますが、持続的な事業の成長というイメージです。「今クォーターの売上を上げなさい」という意味だけならば違います。まず事業があって、人の育成はそのために常に必要なことというイメージです。

――(司会)茂野さんはいかがでしょうか。

 

(茂野) 僕も「事業」です。事業を伸ばすうえで戦略・成果・人材の3つのマネジメントが必要です。(資料1)

【資料1】

 人を伸ばすことは、事業成長にもつながるので、基本的には事業を伸ばします。僕は人のことが大好きだし、メンバーに成功してほしいとは当然思っていますが、基本は事業成長のためです。事業が無くなれば、全員の仕事がなくなってしまいます。

 人が成長していく過程において感じる苦しさや失敗を癒すのは成果や売上です。事業が伸びていたら、良い勢いの中でそれを心配してあげることができますが、逆の場合は本当に重たいし誰もケアしてあげられないので、本人はただただ辛くなります。だからこそ、マネージャーとして事業を伸ばすことは絶対で、「君のこの失敗があったからこの事業が伸びている」と伝えることが何よりも大事だと思います。

(長村) 僕も人の育成が大好きです。以前の会社で、人の育成を自分のメインの業務だと思っていたら、役員に呼び出されて、「育成が最終ゴールになってないか」と聞かれました。ビジネスを伸ばすというゴールに対して、人の成長が必要だという方程式が欠けてるから、育成マニアになっていると指摘されました。僕の場合はより悪質で、育て甲斐のあるメンバーばかりに時間をかけ、本当に育てるべきメンバーに時間をかけていませんでした。

 "育成"という言葉だけを聞くと、絶対にやるべき義務にも聞こえますが、例えば、明日会社が潰れるというときに、今日育成に時間を費やすという判断にはならないと思います。育成は、時間投資であり、その時間のコストは、マネージャーの給料を単純に時間で割った時間給ではなくて、その時間を使えばマネージャーが産めるであろう利益だと考えるべきです。その利益を捨ててまで人に時間を使ってるということなので、ROIをドライに意識すべきだと思います。





Q3:マネージャーはやることが多くて大変です……


(茂野) 現代のミドルマネジメントへの期待値は高すぎて、本当に難しいと思います。「事業を伸ばしながら人を育てろ」と言われても、それが出来たらもう会社やれるじゃないかと思います。本当はそういうレベルなんですが、それを楽しんでほしいなという気持ちが強くあります。事業成長と人材育成が両方できたらとても希少価値の高い人材になれますし、皆さんが会社から得られる決裁権や裁量範囲も大きく広がるはずです。それだけ難しいことに挑戦しているという前提で大丈夫なので、ぜひ楽しんでほしいなと思います。

(長村) 難しい仕事をしている中でさらに、「事業を伸ばしなさい、でも中長期的に人材も育成しなさい。今あるリソースはオンボーディングしてちゃんと活用しなさい」とたくさん求められますよね。最近「管理職は罰ゲームだ」という話をよく耳にしますが、罰ゲームにするもしないもその人次第だと思います。マネジメントスキルは皆さんの会社でも活きるはずですし、将来会社を巣立って自分で何かを行うときや、さまざま人とコラボレーションしてプロジェクトを行うときにとても有利だと思います。すごく大事で素敵な仕事ですし、ぜひ専門職として誇りを持ってほしいです。

(茂野) 転職で考えるとわかりやすいですが、人の価値の算定ってものすごく難しいですよね。市場価値を上げるために最も簡単な手段は、マネジメント経験だと思います。専門的な知識、スキルを持った人や、素晴らしい学歴の方がライバルになりますし、テレワーク可能なら日本との時差1時間の人たちもライバルになります。彼らに勝つためには、自分自身の市場価値を高めておく必要があります。自分の価値を上げるにはどうしよう、やりたいことが沢山ある、将来もしかしたら違う業種に興味が出るかもしれないというとき、ポータブルスキルとして一番強いのがマネジメントスキルです。難易度の高い現代のマンジメント経験は、良いチャレンジだと思います。


ディスカッションの様子


後編に続く!


ボリュームたっぷり、沢山の学びがありますね……!✨️

後編は以下の質問にお答えいただいています!引き続きお楽しみください!


《後編》

📌Q4:メンバーにとって、良いマネージャーとは?

📌Q5:メンバーの成長意欲が足りないときは?

📌Q6:成長意欲を引き出すためのポイントは?

📌Q7:部下を出世させるためには何をする?


本イベントの登壇者


株式会社インサイドセールスプラス 代表取締役
茂野 明彦 氏

2012年、株式会社セールスフォース・ドットコムに⼊社。グローバルで初のインサイドセールス企画トレーニング部⾨を⽴ち上げると同時に、アジア太平洋地域のトレーニング体制構築⽀援を実施。2016年、株式会社ビズリーチ⼊社。インサイドセールス部⾨の⽴ち上げ、ビジネスマーケティング部部⻑、営業責任者を歴任。2022年、株式会社インサイドセールスプラスを創業。インサイドセールスに関する記事の執筆を⾏うほか、インサイドセールスカンファレンスを企画するなどインサイドセールスの認知向上、発展に貢献している。著書に「インサイドセールス–訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド-(翔泳社)」

<note>組織づくりやマネジメントについての雑記
https://note.com/insidesales_job/n/nc8bf04c10f3b


株式会社EVeM 代表取締役 CEO
長村 禎庸 氏

2006年大阪大学卒。リクルート、DeNA、ハウテレビジョンを経てベンチャーマネージャー育成トレーニングを行うEVeM設立。 DeNAでは広告事業部長、株式会社AMoAd取締役、株式会社ぺロリ社長室長兼人事部長などを担当。
ハウテレビジョンでは取締役COOとして同社を東証マザーズ上場に導く。2020年株式会社EVeMを設立。マネジメントナレッジの展開やマネジメントプログラムの提供を通じてベンチャー企業を中心とした組織能力の向上を支援している。2021年技術評論社より「急成長を導くマネージャーの型〜地位・権力が通用しない時代の“イーブン”なマネジメント〜」を出版。

<note>マネージャーの評価基準
https://note.com/nagam/n/n8c3a7126a8e5