天気の話はダメってホント?イケてる営業パーソンのアイスブレイクを調べてみた
目次
度々話題になる商談におけるアイスブレイク。
様々な理論とノウハウが語られるなか、実際にイケてる営業パーソンはどうしているのか?を調べてみたところ、新人営業パーソンやなかなか成果が上がらない営業パーソンと違いがありました。
今回はそんな「イケてる営業パーソンのアイスブレイク」をテーマに、 実際に新規商談の氷を溶かすアイスブレイクとはどんなものなのか、身近なリサーチの結果を共有します。
そもそもアイスブレイクとは
その名の通り関係性ができていない人との対話において まさに相手の「氷」を溶かすような、一瞬で「話しやすい良い雰囲気」を作る必要がある際に用いられるテクニックの一つ。
特に新規商談においては、全く知らない人間同士がビジネスの話をする場であり 営業パーソンにとっては相手からの開示が必要になることも多いため、古くから関係性づくりという文脈で大事にされてきた。
様々なシーンで行われることがあるが、今回は新規商談に限った観点で 数名のトップセールスとそうでない人たちを比べてわかったことを記載していく。
イケてるアイスブレイクの法則その1:長いと感じさせない
時間としてはおおよそ5分以内程度、長くても10分以内であるが なによりも重要なのは、実際の長さではなく「長いと感じさせない」ことにあった。
そんなことはわかってるよ、という思いもあるかもしれないが、イケてる営業パーソンのアイスブレイクはとにかくここが共通していた。
では、なぜ「長いと感じさせない」のか? そこには大きく2つのパターンが存在した。
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💡 パターン①
相手が話したい(話して気持ちのいい)話題を振り、気持ちのいいリアクションや返しをする
例)
・相手のサービスを実際に使って感じたことと関連するポジティブな質問をする
・商談相手のメディアやSNSから、共感する部分を伝え掘り下げた質問をする
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💡 パターン②
相手が聞きたい(興味のある)話題で、共感しあったり相手の知らないような情報を提供する
例)
・共通の知人やコミュニティの話、近況などを出し双方の会話のネタにする
・商談相手の競合や市場の話を振り出し、あまり出回っていない情報を出す
(当然機密事項はNG、むしろ信用をなくす)
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例として上げたものはあくまで一例だが、共通しているのは「相手の興味を推察し準備をしている」という点にある。
つまり、何も考えていない振り出しからはいいアイスブレイクは生まれないのだろう。
イケてるアイスブレイクの法則その2:商談の内容から外れすぎない
天気の話や家族の話がタブーと言われる所以はココにある。
営業を受ける側は忙しい業務の間で時間を作り商談に望んでいるため、対面直後に「自社のビジネスとは全く関係のないこと、利にならないこと」をペラペラと話されるとどう思うだろうか?
氷は溶けるどころかますます分厚くなること間違いなしだろう。
イケてる営業のアイスブレイクに共通していたのは 商談、つまり相手のビジネスに関係のある話題を選んでいたことだった。
直接的に相手のサービスや市場の話をすることもあれば、自社の事例の中で商談相手に近いものの話をすることも、時には相手の顧客やユーザー側の話をすることもある。
究極は、相手のビジネスに関係し、かつ相手のポジションに合わせて興味関心を予測・推察した上で準備された話題を選んでいた。
イケてるアイスブレイクの法則その3:ときには捨てる
上記のように、理想はしっかりと準備をして望むことだろう。しかし一方で、すべての商談でそれを実現するのは難しい場合も多いのではないだろうか。
ではイケてる営業はこのように、知見や事前の準備がない場合どうするだろうか?
答えは、アイスブレイクをしない。
氷を溶かす、という目的を果たせないのであれば、そうそうに本題に入り商談の中身で勝負する。
いわばアイスブレイクは諸刃の剣である、ということを理解しているようだった。
商談相手からしても、(特にWEB打ち合わせが増えたことで)アイスブレイクを求めないという声が半数以上あるというデータもある。
勝ち筋のない、ギャンブル性の高いチャレンジをするよりも、密度の高い商談を心がけるほうが本質的だということだろう。
イケてるアイスブレイクのポイントまとめ
ここまで大きく3つの法則を紹介してきたので、ここで一度まとめておく。
- 即興ではなく、相手の興味関心を推察した上での準備が必要
- 相手に話したいこと or 相手が聞きたいこと を中心に話題を作る
- 相手のビジネスから外れすぎない、できれば直結する話題を選ぶ
- 企業単位だけでなく、商談相手のポジションや役割に応じた興味関心を推し量る
- 上記1~4ができないのであれば、いっそのことアイスブレイクを捨てる勇気を持つ
今日から使えるアイスブレイクパターン
ここからは、今回の調査から見えたイケてるアイスブレイクの共通点を すぐに使えるパターンに落とし込み紹介していく。
サービスについて言及するパターン
「実は御社のサービスのファンで、特に✕✕なところがすごく気に入ってるんです!」
↓
営業相手の例「やっぱりお客様にもこの辺が人気だったりするんですか?」
開発相手の例「こういう機能ってやっぱりお客様からの要望が上がってきたりするんですか?」
※嘘をつかない、盛りすぎない(わざとらしいと逆に冷めてしまう)
商談相手について言及するパターン
「先日公開されていた▲▲のインタビュー記事拝見しました!」
「特に✕✕の部分にすごく共感したんですが、(●●さんは普段から✕✕なんですか?)」
※( )の部分はその後の商談に紐づく質問にできると良い
例)「✕✕を重要視されてる●●さんには、特にこの部分(機能)が重要かと考えているのですが」など
商談相手企業について言及するパターン
「(✕✕を拝見したんですが)、これって御社の場合こんな影響があったりされるんですか?」
※( )の部分はその後の商談に紐づく質問にできると良い
例)「最近台風が続いてますが、御社の✕✕工場などは影響受けたりされるんですか?」
「✕✕なニュースが話題になってますが、御社としてはポジティブなニュースなんですか?」など
商談相手の困りごとの仮説に言及するパターン
例1・・・特定の施策に困っているのではないかという仮説がある場合
「御社の✕✕拝見しました!最近競合さんも力入れてらっしゃいますよね」
「御社もここは結構力入れてらっしゃるところなんですか?」
例2・・・無料ユーザーの有償化に困っているのではないかという仮説がある場合
「いつも(サービス名)使わせていただいてます!」
「ただすみません、実はまだ無料ユーザーなんですが…笑」
例3・・・採用や離職に特定の困りごとがあるのではないかという仮説がある場合
「御社の求人ページを拝見したんですが、✕✕の記載がすごくユニークで魅力的だなと感じました」
「実際、社員さんの数もどんどん増えてらっしゃるんですか?」
まとめ
今回は、イケてるアイスブレイクをテーマにしてみました。いかがでしたでしょうか?
あらゆるビジネスシーンで「関係性」という人と人の部分を重要視する方は多い一方で、 特に新規商談のアイスブレイクを体系的にまとめている記事は少ないように思います。
今回の調査で、正直私自身が学ぶことが非常に多かったので ぜひ皆さんにも一つでも持ち帰っていただけるものがあれば幸いです。
イケてる営業の○○を調べてみた、はシリーズ化も検討していますので もし調べてほしい事があればご意見いただけると嬉しいです!