あなたが「BANT」を聞けない理由、解説します

 

「そのお客様、BANT聞けてる?」

きっと日本の営業部門では今日だけで何十回も発せられているであろうこの言葉、
自身を持って「聞けてます!」と答えられる方はどれくらいいるでしょうか。

ここ数年で一気に定番のフレームとなった「BANT」ですが、
インサイドセールスでBANTをしっかりと押さえるのって実はすごく難しいことですよね。

なぜなら、BANTを取りに行く行為が「営業のため」の行為のようでなんだか申し訳なかったり、
いきなり予算や次期を聞いても答えてくれなかったり…

この記事ではBANTをしっかり押さえられる人とそうでない人は何が違うのかを解説していきます。

 

【おさらい】BANTとは ※ご存じの方はスキップで大丈夫です


「BANT」とは、Budget(予算)、Authority(決済権)、Needs(要望)、Timeframe(導入時期)の4つの頭文字を関した「営業が押さえておくべきポイント」のフレームワークです。

最近ではここに、Competitor(競合)、Humanresources(人員体制)の2つを加え「BANT−CH」なんて呼ばれることも増えてきました。

商談ではもちろんですが、そもそもインサイドセールスの時点でいかにここを引き出してアポイントを取得するかが良い商談につながるとされ、
アポイントカウントの基準をBANTを取得しているアポイント数に置く、という企業も増えてきています。

 

【さっそく結論】BANTが聞けない理由とは


まずは結論から。
BANTが聞けない理由は「この人に相談したい」と思っていただけていないからです。

やや辛辣な物言いになってしまいましたが、お客様の気持ちになってみるとよく分かると思います。

イメージしてみてください。
例えばあなたが肩こりに悩まされているとして、街でマッサージ店のティッシュを配っている方から「どこが凝っていますか?」「お仕事はデスクワークですか?」などと聞かれたとします。

このときあなたは自然と「あ、これは勧誘や集客の入り口だな」と警戒心が働き、「まあ肩とか…」や「まあそうですね」などと防衛反応がでませんか?

では逆に、いつも通っているマッサージ店で、いつも担当してくれているマッサージ師さんから「お仕事変わりました?」と聞かれたらどうでしょうか。
不思議と「そうなんですよ、なんで分かるんですか?」と、もはや興味をもって質問までしているんじゃないでしょうか。

営業が押さえたい情報ということは、裏を返せばお客様は簡単には握られたくない情報ということですよね。
ましてやはじめましての人や、営業目的だとわかっている人には当然のように防御反応が働きます。

しかし、相手がその道のプロで、自分の悩みを解決してくれる存在だとしたら…
むしろ自分から開示して早くその悩みを解消したいと思うはずです。

つまり、BANTが聞けないというのは聞き方や意識の問題ではなく、「このプロに相談したい」もしくは「この人であれば自分の悩みを解決してくれそうだ」と思ってもらえていないことが一番大きな問題ということですね。

※もちろん法人営業においてはその方が知らないという可能性も存在しますが、ここではいったんそのパターンはおいておきます。

 

【具体的に】営業のシーンだとこんなかんじ


では実際に、よくある「BANTが聞けないタイプ」の電話を見てみましょう。 今回は問い合わせへの連絡というシーンを少し抜き出してみます。

🧑・・・営業パーソン
👩‍🦰・・・お客様

🧑「差支えなければ、今回お問い合わせいただいたきっかけをお伺いしてもよろしいでしょうか?」

👩‍🦰「今回弊社でコンテンツを作成する事となりまして、コンテンツの材料として御社の●●が活用できるかなと思い問い合わせしました。」

🧑「そうなんですね、ありがとうございます。ご予算はおおよそどれくらいを想定していますか?」

👩‍🦰「いや…まだ相場観が分かってなくて…」

🧑「弊社ですと●●円~●●円前後で、他社様と比べると少し高いのですがその分質は良いのでご安心ください」

🧑「ちなみに、時期としてはどのくらいをイメージされているんですか?」

👩‍🦰「あ、それもまだ明確に決まっていなくて…」

🧑「そうなんですね。であれば、よろしければ一度、お打合せをさせていただければ・・・」

はい、いかがでしょうか。
ここまでツッコミどころが多いのは極端だろ、というお声もあるかも知れませんが 実際このように感じる営業電話も少なくないように思います。

では、この電話のどこを変えるべきなのか、という点を見てみましょう。
みなさんはこの会話のどこに違和感を覚えますか?

・・・それはズバリ、

「営業の話したい(聞きたい)ことだけで進んでいる」点ですよね。

本来であれば、お客様の困っていることを解決する仕事であるはずの営業が、お客様の困りごとに全く関心を持っていません。
もし自分がお客様の立場であれば、このような営業電話で「ぜひ打ち合わせしたい!」と思いませんよね。

 

【成功例】きっと成果の出ている方はこんなイメージではないでしょうか


では、次に「BANTを押さえられるタイプ」の会話も見てみましょう。
先程と同じシチュエーションをイメージしてみてください。

🧑「差支えなければ、今回お問い合わせいただいたきっかけをお伺いしてもよろしいでしょうか?」

👩‍🦰「今回弊社でコンテンツを作成する事となりまして、コンテンツの材料として御社の●●が活用できるかなと思いまして」

🧑「そうなんですね、ありがとうございます。作成されたコンテンツはどのような方が見られる予定なんですか?」

👩‍🦰「弊社のプラットフォームに登録している、営業活動をしている方ですね」

🧑「なるほど!営業の方向けのコンテンツなんですね。どのようなコンテンツにするかイメージすでに決まっていらっしゃるんですか?」

👩‍🦰「今回は~~~のようなジャンルで~~~のようなコンテンツを作成したいと思っていています」

🧑「営業活動をされている方のスキルアップにつながるようなジャンルということですね!素敵ですね。いつ頃コンテンツを展開していきたいなど期間の目安はございますか?」

👩‍🦰「そうですね、今月中にコンテンツにしたいと思っています。」

🧑「ということは御社のプラットフォームに登録されている、またはこれから登録をされる営業の方向けに、弊社の△△や××を使用して、学びや興味を抱いてもらえるようなコンテンツを作成したい。そのために~~が必要で、今月の配信ができるようにできるだけ早く判断したい。このようなイメージであっておりますでしょうか?」

👩‍🦰「まさに、おっしゃる通りです!」

🧑「ありがとうございます!コンテンツの作成を今月中と考えると、今週か来週には競合さん含めてどこかに決めるスピード感かと思いますが、既に何社かにお声がけされていますか?(もしすでにお話されているのであれば、その企業さまと当社の差分をお伝えするとスムーズかと思っていまして)」

👩‍🦰「数社に問い合わせをしてはいるんですが、まだお話や見積もりをもらってはいない状況です」

🧑「そうでしたか。ちなみに内容によってどの企業さまも金額が変わってくるかと思いますが、ご予算のイメージや上限などはございますか? よろしければ一度お打合せをさせていただいて、その中でご希望のスピード感でデータをお渡しする場合、おおよその相場観がどの程度で、当社の場合だとどんな流れになりそうか、類似するケースではどうだったかなどご紹介差し上げられれば思うのですがいかがでしょうか?」

👩‍🦰「ぜひお願いします。」

🧑「承知しました、ありがとうございます。お時間も限られているかと思うのですが、 当日ご参加いただくのは●●さまのみですか?」

👩‍🦰「あ、私の上長が責任者なので、上長にも出てもらったほうがいいかなと思っています」

🧑「かしこまりました。上長の方向けにご用意したほうが良い情報などってございますかね?」

 

・・・

 

メンバー限定公開(無料登録はこちらから👇)
※Cookieを利用して次回からのフォーム入力を省略出来ます※